RADWIMPSへの公開質問状

RADWIMPS御中

わたしたちは、貴バンドがリリースされた歌『HINOMARU』について問題提起している有志です。この曲は表現と歴史認識に大きな問題があり、それをみなさんに私たちと一緒に考えてほしくて、以下の文章をお送りします。

さっそくですが、『HINOMARU』には以下の問題点があると認識しています。

 

①曲について
この曲は「日の丸」と「御国・御霊」を称えています。これは戦前の日本が人々を戦争へ駆り立て、何千万人ものアジアの人々を殺させた道具や用語です。
日の丸は当時も今も侵略戦争のシンボルです。「御国」は国家をあがめまつり、「御霊」は国家のために死ねば素晴らしい霊になれますよ、ということを意味します。
日の丸をいまだに国旗に用い、こんな用語まで歌われるのは、今も日本が侵略戦争を反省していないからです。そうした政治家発言や書籍があふれる中、音楽は特に人に強い影響を与えます。RADWIMPSのような、若いファンが多く、知名度も影響力も大きいアーティストが、このような曲を発表することは許されません

 

②背景について
日本は政治的な歌を避けたがるのに、椎名林檎、ゆずなど、右翼的な曲を出す有名音楽家が相次いでいます。
そうした歌を出せば売れる、ある層に認知されるなどの計算があるかもしれません。
また自民党政権はマスコミから様々な文化まで、自分たちを支持する報道をさせ、戦争を賛美する表現を支援しています。その影響もあるかもしれません。
ビジネス面の理由でも、思想面の理由でも、いずれにしても、そのような表現を放置したら侵略戦争を繰り返すことになるため、やめるべきなのです

 

表現の自由について
表現の自由憲法によって保障されていますが、その自由とは、どんな歌でもリリースしてよいということではありません
HINOMARU』の歌詞を一部取り上げるなら「この身体に流れ行くは 気高きこの御国の御霊」とあるように、日本人の血を尊び、先祖の霊を敬う気持ちが歌われています。
しかし日本には日本国籍者以外も大勢住んでいます。彼らに日本社会は何をしているでしょうか
日本の入国管理局に囚われた「外国人」たちは、病気を放置されたり腐った食べ物を出されたりするなど、人権を剥奪されています。在日朝鮮人たちは、日本で何世代も暮らしていながら、税金を払わされる一方で被選挙権も選挙権も与えられず、差別や暴力を受け、朝鮮学校は高等教育無償化の対象から除外されています。東南アジアからは、身売りされ、極めて安い賃金で強制労働させられている「外国人たち」がいます。
日本人の血を尊ぶことは、外国人の自由を奪い、尊厳を痛めつけ、精神的身体的に殺すことと切っても切り離せません。言うまでもなく、そのような力を持った歌を出す自由はありません。

 

上記の問題点を踏まえ、以下の質問を提示します。

 

どうしてこの歌を出したのですか?

 

今この時期に出した理由はありますか?また、レコード会社やスポンサーのフジテレビにはどのような要求をされましたか?

 

③日本が19世紀からアイヌ琉球・台湾・朝鮮半島・中国・東南アジア各国へ侵略したり人体実験や生物兵器の研究を行ったりしたこと、慰安婦制度を作って女性の人権を踏みにじったことを知っていますか? あるいは、この歴史を事実関係を含めてどのように認識していますか?

 

④歌ではなく国旗の日の丸について、どのように考えているか教えてください

 

⑤ライブ会場で野田洋次郎さんが「自分の生まれた国を好きで何が悪い!」「気にしてねーから、かかってこい!」「これ以上はなんの声明も出さない」とおっしゃったのは、事実ですか? また、そうであるなら6月11日の「釈明」との整合性はありますか?

 

⑥6月11日の「釈明」では英語と日本語が併記されていましたが、なぜですか?

 

⑦6月11日の「釈明」において、「日本人」を「the people living in Japan」とする誤訳がありました。後者は「日本に住む全ての人」のはずです。これは意図したものですか? 誤訳であれば訂正すべきかと思いますが、いかがでしょうか。

 

⑧最後に、わたしたちに対しておっしゃりたいことがありましたら、ご自由にお書きください。

 

質問は以上です。
回答期限は6月24日(日)とさせていただきます。

 

RADWIMPSの『HINOMARU』に抗議する6.26ライブ会場前アクション!」主催者一同